・日本のバイオプラスチック出荷量推計(2019年)

(出典)日本バイオプラスチック協会「バイオプラスチック概況」(環境省  バイオプラスチック導入ロードマップ検討会(第1回)資料2-1、 令和2年5月)

 

―European Bioplastics(欧州バイオプラスチック協会)によるとバイオプラスチックの世界の製造能力は211万トン※1(2019年)であり、2024年には243万トンまで拡大すると推計されています。

(出典)「プラスチックを取り巻く国内外の状況」(環境省  バイオプラスチック導入ロードマップ検討会(第1回)参考資料2、 令和2年5月)

※1 2019年の世界におけるバイオプラスチック生産量

(出典)European Bioplastics, Bioplastics market data,

バイオマスプラスチックを用いた製品は、電気電子製品の包装や部品、自動車の内装品、食器具や食品・食材の包装、この他レジ袋・ごみ袋や農業用生産資材など、多くの分野で使われています。

分野 製品例
容器包装 レジ袋、緩衝材、乾電池パック、食品トレー
日用品 食器、ごみ袋、文具、玩具、紙おむつ
自動車・車両 自動車車内装材(フロアマット、タイヤカバーなど)
電気・電子製品 家電部品、回路素子
土木・建築材料 植生ネット、土のう、養生シート
農林漁業資材 育苗ポット、釣り糸、マルチフィルム
繊維製品 衣料品、カーペット

一般のプラスチックは石油から作られますが、『バイオマスプラスチック』はバイオマスを原料として作られるプラスチックのことです。バイオマスプラチックは、廃棄物系バイオマスや資源作物を原料にしていて、以下のような種類があります。

*1:日本バイオプラスチック協会 吉田正俊, 「バイオプラスチックの開発と展望」、廃棄物資源循環学会誌, Vol.30, No.2(2019年)及び
日本バイオプラスチック協会 吉田正俊, 「バイオプラスチックの実用化に向けた取組の現状と展望」, 環境情報科学48巻3号(2019年)をもとに作成
*2: 欧州バイオプラスチック協会, “Bioplastic Market Development Update 2019”, https://www.european-bioplastics.org/wp-content/uploads/2019/11/Report_BioplasticsMarket-Data_2019_short_version.pdf

(出典)「プラスチックを取り巻く国内外の状況」(環境省  バイオプラスチック導入ロードマップ検討会(第1回)参考資料2、 令和2年5月)

 

また、将来バイオマスプラスチックの生産量が大きく増加する場合に備えて、木材や紙などの未利用バイオマスを利用する技術開発も進められています。

  • カーボンニュートラル

バイオマスは燃やすと二酸化炭素が発生しますが、その二酸化炭素は植物などが成長する過程で大気中から吸収したものであり、もともとの大気中の二酸化炭素量は変化しない、という考え方のことです。

カーボン(carbon)は炭素、ニュートラル(neutral)は中立という意味があります。

  • バイオマスリファイナリー(バイオリファイナリー)

石油の精製・分離によって、素材、製品、燃料といった様々なものを製造することをオイルリファイナリーといいます。これに対し、バイオマスから同じように製造する流れをバイオマスリファイナリー(バイオリファイナリー)といいます。

リファイナリー(refinary)は精製という意味があります。

  • カスケード利用

資源やエネルギーを利用すると、再利用のたびに品質が下がっていきます。その下がった品質レベルに応じて、目的や方法を工夫して使い尽くすことをカスケード利用といいます。たとえば、牛乳パックとして使った紙を新聞紙に再利用し、古新聞を焚き付けに使うというように、資源を一度で使い切るのではなく、段階的により多くの場面で利用する方法です。

カスケード(cascade)は「連なった小さな滝」という意味があります。

バイオマスを使うと、以下のようなメリットがあります。

  • バイオマスは、植物や動物などの再生可能な資源なので、持続的に使うことができます。
  • バイオマスを利用した後、最終的に燃やしても、発生する二酸化炭素は大気中に戻るだけなので、地球温暖化の原因となる二酸化炭素は増加しません。
  • 化石資源の代わりに使うことにより、化石資源の節約につながります。

植物は光合成をして、大気中の二酸化炭素と水、太陽の恵みによって有機物を作りだします。どんな動物も元をたどれば植物を食べて成長するので、生物の作った有機物(バイオマス)はすべて大気中の二酸化炭素を基に作られている、とみなすことができます。

バイオマスを燃やすと、ガソリンなどと同じように二酸化炭素が発生します。しかし、バイオマスは空気中の二酸化炭素を基に作られているので、燃やしてできた二酸化炭素は大気中に戻った、と考えることができます。この考え方をカーボンニュートラルといいます。

バイオマスとは、生物由来の有機性資源のことです。卵殻や貝殻のような生物由来の無機性資源もバイオマスに含む場合があります。

バイオマスは、食料や飼料、肥料、建築資材、家具、繊維製品、日用品など様々な分野で利用されています。

石炭や石油などの化石資源と比べ持続的に利用できる資源であり、利用されずに廃棄されている物(廃棄物系バイオマス)や、これまで利用されていなかったもの(未利用バイオマス)の利用が進められています。また、エネルギーや工業原料として利用するための非食用作物(資源作物)も注目されています。

バイオマスプラスチック製の窓付き封筒(窓フィルム部分)、ファイル(クリアホルダー)、OHPフィルム、メディアケース(FD、CD、MO用)、OAフィルター(枠あり)、記録用メディアなどがグリーン購入法特定調達品目に指定されています。

自治体や企業などがこれらの製品を利用すると、グリーン購入を実施しているとして認められます。

また、2019年からは”植物を原料とするプラスチックであって環境負荷低減効果が確認されたものが、プラスチック重量の10%以上使用されている”ごみ袋も特定調達品目になりました。