第３回メタン発酵バイオガス発電リーダー育成研修_考査 9/6

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①メタン発酵プロセスに関する下記の記述について、正しいものを下記のうちから全て選びなさい。

脂質はバイオガス発生量が多いが、投入量に気をつける必要がある。
炭水化物は、種類によらず微生物分解速度はほぼ等しい。
たんぱく質中に含まれるアミノ酸の分解によりアンモニアが生成される。
メタン生成細菌には、酢酸を利用する経路しかない。

②乾式発酵と湿式発酵、中温発酵と高温発酵に関する下記の記述について、誤っている記述を全て選びなさい。

中温発酵よりも高温発酵の方が分解速度は速いが、アンモニア阻害には弱い。
乾式発酵では、発酵残渣の水処理は一切必要ない。
中温発酵は、分解速度が遅いので導入例が少ない。
湿式発酵は、水処理が必ず必要である。

③メタン発酵の原料となる廃棄物の分類において、産業廃棄物に該当するものを下記のうちから全て選びなさい。

酪農家から排出される家畜ふん尿
動物園から排出されるふん尿
精肉店から排出される骨等の残さ
食肉処理場から排出される解体残さ
パン製造工場から排出されるパンくず
スーパーから排出される野菜くず
会社事務所から排出される紙くず
製紙業者の工場から排出される紙くず

④次の「　」内の文の（ア）、（イ）に入る最も適切な文字と数値をそれぞれ１つずつ選択しなさい。「2021年の日本の総発電量は約 1.01PWhであった。ここでP（ペタ）は10の（ア）乗を示す補助単位である。また2022年の日本の発電電力量のうち約（イ）は再生可能エネルギーによるものであった。」

⑤次から正しい記述を選びなさい。

a. 日本の法令で定められている「新エネルギー」は全ての再生可能エネルギーを含む。
b. FIT制度における電力買取価格が改訂された場合、過去に認定された事業にも改訂後の価格が適用される。
c. メタンは温室効果ガスではないので、余剰になった場合は燃焼させるより、空気で希釈して安全を確保しつつ放出する方が良い。
d. 2022年度からFIP制度が導入されたが、FIT制度を活用しているバイオマス発電事業は、条件によって必ずしもFIP制度に移行する必要はない。
e.バイオマス発電は出力調整が可能であるので、いかなる場合も出力制御が課せられることがない。

⑥食品廃棄物を原料とする施設に関する記述で、誤っている記述を選びなさい。

a. 原料に入っている異物（プラスチックほか）の除去は前処理で行うことが必要である。
b. メタン発酵槽の温度管理は厳密に行う必要は無い。
c. メタン発酵の状況の確認は有機酸濃度測定し、変化を留意することが重要である。
d. 発酵槽内に堆積した異物除去は重要あるが、その作業は費用、時間が莫大にかかるために慎重に行うことが必要である。

⑦食品廃棄物を原料とする施設におけるトラブル対策として、誤っている記述を選びなさい。

a. 搬入物管理において、展開検査は重要だが、排出事業者との良好な関係を保つために通常は実施しない。
b. 発酵槽での異常発泡の前兆現象の一つとして、バイオガス発生量の急激な増加がおこることもあり注意が必要である。
c. メタン発酵施設内の配管にスケール付着が発生することが多いので、配管材料の選定やスケールの除去対策は実施しなくてはならない。
d. メタン発酵温度は中温メタンは37℃、高温メタンは55℃付近が発酵に最適温度であるので、この温度を逸脱しないように管理することが重要である。

⑧バイオガスのメタン濃度60%、精製ガス（バイオメタン）のメタン濃度97%として、都市ガス供給量（導管接続量）が2,000N㎥/日必要な場合、バイオガス量としては約何N㎥/日必要か、以下より一つ選びなさい。

約2,000N㎥/日
約3,000N㎥/日
約6,000N㎥/日
約10,000N㎥/日

⑨水素について正しい記述を選びなさい（複数）。

a. 無色・無臭・無毒である。
b. 水に非常に溶けやすい。
c. 炎は赤色である。
d. 燃焼速度が非常に速いため逆火には注意が必要である。
e. 水素ボンベは赤色の容器で水素の表記は白字である。
f. 水素の液化燃料は存在しない。

⑩水素の製造について、正しい記述を選びなさい（複数）。

a. 製鉄工場からの放出ガスに水素は含まれない。
b. 理論的には水蒸気改質によって1分子のメタンから4分子の水素が得られる。
c. 水素は限られた物質にしか含まれない。
d. 水の電気分解では同数の水素と酸素が得られる。
e. 水素生成菌は嫌気環境で糖質から水素を生成する。
f. 廃プラスチックからの水素製造は出来ない。

⑪ブラックアウト対策と地域レジリエンスに関して、正しい記述を選びなさい。

a. 地域レジリエンスにおける合意形成では、住民の立場が一番上であるため、要望をすべて満たす必要がある。
b. ブラックアウト時の発電には起動電源が必要となるが、起動電源として非常用発電機や蓄電池は有効な手段である。
c. 系統線復旧後に送電開始をする場合、送配電事業者に連絡を行うだけで送電開始ができる。
d. 災害発生後、施設職員は自分や家族の安全確認よりも施設へ出勤して再稼働を行う事を最優先にすべきである。
e. ブラックアウトは地震や台風などの災害があれば必ず発生している。

⑫ブラックアウト対策と地域レジリエンスに関して、誤っている記述を選びなさい。

a. 設置機器には、安定した電圧が必要な機器（特定負荷）とON/OFFやインバータ制御など電圧が変動する機器（変動負荷）があり、ブラックアウト対策には考慮が必要である。
b. BCPやISOなどで非常時の運営体制を定める場合、正・副責任者や複数の担当者を定めておいた方が良い。
c. ブラックアウト後に施設再稼働のため給水や排水を行う場合、装置や配管等を点検すると共に自治体等に使用可否の確認を行う事が必要である。
d. 災害ゴミを受入れる場合、泥の付着度合や腐敗状況などあらかじめ基準を設ける事が望ましい。
e. ブラックアウトスタート後、発電機が再稼働できれば機器の電源が確保できるため、施設内での需給バランス調整は必要ない。

⑬豊橋市の複合バイオマスの利用に関して、誤っている記述を選びなさい。

a. 下水汚泥、し尿浄化槽汚泥、生ごみを混合する前に前処理を行う必要がある。
b. 下水汚泥の前処理工程は、濃縮だけである。
c. 生ごみの前処理工程は、選別だけである。
d. し尿浄化槽汚泥の前処理工程は、し渣を除去したのち、濃縮を行う。

⑭豊橋市の複合バイオマスの利用に関して、誤っている記述を選びなさい。

a. メタン発酵槽内は、無酸素状態で、発酵に適した温度に保つことが重要である。
b. 槽内では、内部が均一になるよう撹拌機と循環ポンプで撹拌し、縦横の旋回流を作っている。
c. 発生するバイオガスの成分は、メタンガスが約６０％、二酸化炭素が約４０％で発熱量は約５,０００kcal/N㎥である。
d. 発生するバイオガスには、不純物は含まれていないため、そのままの状態で貯留し、発電機へ送られる。

⑮バイオ液肥ついて、誤っている記述を選びなさい。

a. バイオ液肥中の有機態窒素は農地施用後、短期間にすべて無機化し、作物に利用される。
b. バイオ液肥に含まれるリン酸のうち、約8割がク溶性リン酸（作物が利用可能な形態）である。
c. バイオ液肥には窒素、リン酸、カリの他に、マンガン(Mn)、ホウ素(B)等の微量肥料元素も含んでいる。
d. 有機物含有量の多い乳牛ふん尿を原料とするバイオ液肥の農地への施用は、農地土壌への有機物供給効果が期待できる。

⑯バイオ液肥ついて、正しい記述を選びなさい（複数）。

a. メタン発酵施設完成後速やかにバイオ液肥の利用が始められるように、肥料登録は施設建設中に完了しておくことが望ましい。
b. バイオ液肥を土中に散布することにより、バイオ液肥中の有機態窒素の利用率を向上させることが可能な新型のスラリースプレッダーが開発されている。
c. バイオ液肥の濃縮ができれば輸送作業の効率化が実現できるため期待が大きいが、技術開発を進める上では、濃縮率を上げるだけでなく、濃縮肥料の取扱性なども考慮する必要がある。
d. 北海道十勝地方では、メタン発酵施設が多くなったため、北海道の普及センターが中心となって、バイオ液肥に対する農業者の疑問や不安の解消とバイオ液肥の利用拡大を目指したパンフレットが作成された。

⑰バイオ液肥について、施肥基準量が窒素、リン酸、カリ、ぞれぞれ6、6，6kg/10aの作物へのバイオ液肥施用量として、最も適切なものはどれか、以下より一つ選びなさい。条件として、バイオ液肥の全窒素濃度は0.4%、アンモニア態窒素濃度0.2%、リン酸0.1%、カリ0.15%とする。また、バイオ液肥施用後速やかな耕耘が行われると仮定する。

⑱事例検討：高温メタン発酵槽の維持管理について、次の問題に答えなさい。「7月22日、生ごみ混合液投入量計が故障し、メタン発酵槽に生ごみ混合液が過剰投入された。以後、バイオガス発生量が低下し、有機酸濃度が上昇し始めた。 7月29日から投入を停止し、約1ヶ月経過したが、有機酸濃度が高いままで、回復しない。データ詳細は、下表を参照し、今後の対応策として効果があるものを選びなさい（複数）」。※選択すると文字が太字になります。

a. メタン発酵種菌の追加投入
b. 原料投入停止の継続
c. アンモニア阻害を懸念し、メタン発酵槽の希釈（アンモニア濃度低減）
d. メタン発酵槽攪拌力の増強
e.ｐH低下を防ぐために、苛性ソーダ投入
■データ詳細（これは選択しないでください。））

⑲事例検討：メタン発酵槽のスカム対策について、次の問題に答えなさい。「投入負荷変動や処理対象物変化にメタン菌類が追従できない時にスカムが発生することがある。メタン発酵槽のスカム対策として効果のあるものを選びなさい（複数）」。

a. 投入負荷量を減らす
b. 希釈水を投入し、メタン発酵槽内のアンモニア・有機酸濃度を下げる。
c. 廃油分・廃棄乳製品・廃肉加工残渣・コーヒー粕等の脂質の高い投入物の投入を減らす。
d. 微量のグリセリンを投入する
e. 茶殻・キノコの廃菌床等の分解しにくい繊維質の投入をやめる。
f. 茶殻・キノコの廃菌床等の分解しにくい繊維質の投入を増やす。
g. ｐHを７～８に維持する
h. スカム引き抜きラインを設ける

⑳次の条件の時のメタン発生量を以下より選びなさい。条件：投入 CODcr 量 1,000 kg/dであり、汚泥として排出された CODcr 量が 150 kg/d の時のメタン発生量

52.5Nm3/d
525Nm3/d
29.75Nm3/d
297.5Nm3/d

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